それでも世界が回るなら。
2月。
少なくとも我々の業界では閑散期。
寒さは頂を超え、日毎に暖かくなっていく様な気がする。
世界はこの1分1秒ですら回り続ける。
空は未だに暗澹とし、肌を刺す寒さが一抹の寂しさを想起させる。
いくつも経験したはず3月が、真新しさを帯びて少しずつ近付いてくる。
3月は嫌いで、好きだ。
3月は紛れもなく別れの季節。万国共通。否、日本共通か。
満面に花を咲かせる桜は、3月には向いていない様に思う。
寂しくないなんて強がる自分を、嘲笑っている様な気がする。
色んな物事が回る世界に後押しされる様に、変わっていく。変えられていく。
自らの意思を持って、私は変わっていくのだ。
変わっていく生活と、重ねていく歳と、変わっていく自分と、
変わる今と。
3月は思い出になっていく季節だ。
それでも、あの日と変わらない距離の、声の、愛の、あなたがいてくれることを覚えているから、僕らも周り続けるのだ。
初めて生きる3月、私は私に何を遺せるだろうか。
このままでいいと思わせる寒さが其処にある。
それでも世界が回るのなら。
そういえば、2月は風邪を引きやすい季節です。
時節柄、くれぐれもご自愛下さい。