夜に紛れて。灰になって。

 

白を白としか言えない人。

キレイだな。そこまで真っ直ぐにいられたなら、むしろ悲しくないんじゃないか。

誠に残念ながら、白を白と、黒を黒と言える人は少ないのだと思う。

 

正論が正解では無い世界に、我々は折り合いを付けながら、その身を折りながら生きている。

そうして白でも黒でもなくなった自分を見つめて、大人になったな、なんて思うんだ。

 

グレーな物に、白黒付ける必要なんてあるのか。ほんとは知ってるんだよ。

でも、綺麗事でも何でもいいから縋りたい時はあると思ってるから、それもそれでいいんだよ。

ただ、僕は灰になって、灰のままで居たいと思ってる。白じゃなくていい。黒じゃなくていい。

灰色のままの自分に辟易しながら、白黒付けずに生きている人が好きだ。

 

そうして僕は灰になって、白黒付けずに生きていく。

そして、ラインもツイッターもインスタグラムも必要としない真っ黒な夜に紛れて、灰色な自分のままで、今後一生会わないあなたと未来の話をしよう。

 

この時間に飲むカフェオレは、随分と甘い様な気がした。